「どこでも通用する戦い方を教えたい」郡山囲碁スクール 内田さん【前編】

2017.09.30

皆さまこんにちは!松本です。

 

コースター利用者インタビュー第11回目です。
 
7月から利用をしてくださっている内田知見(ともみ)さんにお話を伺いました。
内田さんは今年の5月に、県内アマチュア囲碁の名人になられました。コトひらくでは中会議室とラウンジで週4回、囲碁スクールを開催しています。
ご自分で碁の解説DVDやテキストを作成するなどとても活動的な方で、9月からはレンタルオフィスを借りられオフィスメンバーに加わりました。
今回は個人編として囲碁スクールをメインにご紹介していきます!
 
 
それでは早速お話を伺っていきましょう!
 
 
Q.まず初めに、囲碁を始めたきっかけは何ですか?

A.初めて囲碁に触れたのはテレビゲームです。最初は石を多くとるゲームだと思っていたのですが、相手より多く取っても負けることがある。それが不思議でたまらなかったんです。ちょうど学校からの帰り道に碁会所(※)があり、通い始めました。それが10歳の時です。碁会所には週4で通って、1日5時間半ほど遊んでいました。そこで教えてもらって初めて、囲碁が陣地を広く取ったほうが勝ちというルールなんだと知りました。同時に囲碁の楽しさを知り、囲碁にのめりこんでいきましたね。
 
※碁会所とは…碁盤・碁石が備えてあり料金を払うことで碁が打てたり教えてもらえたりする所。
 
 
Q.碁会所に通い始めてからプロを目指すまではどのような経緯だったのでしょうか。

A.囲碁を始めてから数か月後、囲碁の先生にプロにならないかと誘われました。
当時はプロの道は全く考えていなかったのですが。囲碁を思う存分打てる環境に惹かれて誘ってくれた先生に師事することになりました。小学6年生まで習い、中学1年生に上がるときにプロ養成の日本棋院の院生に合格しました。簡単に説明すると、全国のめちゃくちゃ強い子たちが集まっているところですね。そこで、今まで習っていた囲碁が全く通用しなかったことに衝撃を受け、相手との対戦から戦い方を学ぼうと初めて思いました。強い子たちとの対戦で、僕自身も力をつけられたと思います。その後は、16歳の時に千葉県の先生に弟子入りし2年間住み込みで学びました。
 
 
Q.囲碁スクールはなにがきっかけで始められたんですか?

A.きっかけは今年5月のアマ名人戦での優勝ですね。実家は栃木なんですが、昨年福島に来たんです。そこでタイミングが合い大会に出たら、地区予選を突破し優勝することができました。正直勝ち進めるとは思っていなかったので、自分でも驚きましたね。元々囲碁を教えていきたいという想いはあったので、これを機に囲碁スクールを始めたんです。
優勝してから、コトひらくを見つけスクールを開くまで、約1ヶ月位です。トントン拍子に始めることができました。
なぜすぐに始められたかというと、自分が院生になったときに今まで習ってきたものが通用しなかったのが一番の衝撃だったので、自分で教えるときに一番効果的なものは何かをずっと考えていたからなんです。教えるための下準備はできていたので、すぐにスクールを開こうと思えたんです。僕の経験を活かして、生徒さん達にはどこでも通用する戦い方を教えたいです。
 
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囲碁スクールの様子

囲碁スクールの様子


 
Q.以前教えていただいたときはビー玉とコルクボードで作った碁盤を使っていらっしゃいましたが、こだわりがあるのですか?

A.スクールをやるうえで、騒音が一番の問題だったんですよ。スクールを開く前に音のチェックをしていたんですが、木の盤と碁石だとどうしても他のオフィスに音が響いてしまったので。そこで考えたのがコルクボードの碁盤とビー玉なんです。手作りにこだわっているというよりは、必要なものは何かを考えた時に一番効率がいいのがそれだった、という理由だけなんですよ。自分で作れば経費削減にもなりますしね。実は、現在はビー玉を使うのを控えているんですよ。子供たちがそっちで打つのに夢中になってしまういけないので。今はコルクボードで作った盤と本来の碁石を使って教えています。
 

手作りの盤と碁石代わりのビー玉

手作りの盤と碁石代わりのビー玉

現在使っているコルクボードの盤

現在使っているコルクボードの盤


 
Q.スクールが始まって2ヶ月ほど経ちますが、現在何名ほど生徒さんがいらっしゃるんですか?

A.現在15名が固定で来てくれています。短期の体験を受けてくれた方もいて、始めたころより生徒さんの人数も増えているのでだんだん認知度が上がってきていますね。一般的に、1年で1級上がれば早い方と言われるのですが、現在通っている方で2か月で6級上がった方もいるんですよ。みなさん順調に力をつけてきています。
 
 
Q.福島に来て、郡山での囲碁の普及具合をどのように感じていますか?

A.郡山は、福島や会津と比べてきちんと生徒を取っている所や集客しているところが少ないですね。
なぜ郡山での普及率が低いのかは分かりませんが、僕がスクールを行うことで、習いたくても習えていなかった人たちが集まれる場所になれたらと思います。
 
 
Q.今後、囲碁スクールをどのように発展させていきたいですか?

A.DVDの評判も良く、通信講座をやってほしいという声もあるので、全国どこにいても習えるようにしていきたいです。
あとは若い世代にどう囲碁を取り入れていくかを考えていて、イラストと音楽でかわいく面白く覚えてもらう映像コンテンツなどの計画をしています。

囲碁をやる人に、一番伝えたいのは感動なんです。自分が囲碁をやっていて感動したから。
スクールで教えるときも、ただマニュアル通りにやるとつまらなくなってしまいます。そうではなくて、『この人が今全然関係ないここに置いたのは、手前のここを取るため。そこに置くとこうなるのを実は数手前から分かっていたから。でも実は、相手はそれさえも見抜いていて、さらに前から阻止する手を打っていた。だからこの離れた位置に石を置いたのも誘導されていた』という話をすると生徒さんも喜んでくれるんです。こういう解説も織り交ぜながら、楽しんで力を付けてもらいたいです。
 

内田さんが作成したDVDとテキスト

内田さんが作成したDVDとテキスト


 
ご自身で造花をアレンジして教室の明るい雰囲気を作ったり落ち着いて集中できるBGMを流したり、囲碁を教える側も学ぶ側も真剣になれる雰囲気を大切にしていらっしゃることが普段の様子から伝わってきます。
囲碁にご興味がある方は、ぜひ一度見学してみてください。
 
 
↓↓郡山囲碁スクールのホームページはこちら↓↓
https://koriyamaigo.wixsite.com/koriyama-igo-school

 

次回は内田さんのインタビュー後編をお送りいたします!